琵琶神様の前を通る道は昔の古戸道(遠州街道)です。
現在の県道80号東栄稲武線にあたり、東栄町川合から振草へ向かいます。
津具や根羽・平谷の人たちが秋葉山詣でに使ったそうです。
上の写真の道を左奥に歩いていくと、
猪の檻が仕掛けてありました。エサはないようですが・・・。
その奥には、わかりにくいですが石碑や石仏が散在しています。馬頭観音が祀られていたそうです。しかしもうこの道は山で作業する人以外は通りません。
道は二つに分かれます。
正面右の土手の向こうに続く道が歩く時代の道、左の切通しが荷馬車やバイク・オート三輪!?も通ったより新しい時代の道。長年踏み固められたためか、歩く人がほとんどいなくなった今でも道の形が普通の山道と違いしっかり残っています。
※ここから先は『廃道』です。道も不明瞭で道迷い・転倒転落・害虫等遭難のリスクがあります。事故等の責任は負えません。入られる方はそれなりの準備の上で自己責任にてお願い致します。
右の歩道は急斜面を下りていくようですが、足元も悪くこれ以上は追えませんでした。
一方左の道も倒木は多いですがしばらくは道幅も保たれています。道には新しい木や竹も顔を出していました。山で作業する人もこのあたりは入っているようです。
尾根を巻くところは0.8車線の小さな築堤が残っていました。人が入ってきているのはこのあたりまでで、ここから先に道は急にわかりづらくなります。暖かくなると藪になりそうです。
沢の近くまで行くと急に左170度に切り返してさらに坂を下ります(このあたりが判り難い)。上は2段目の真ん中あたりの写真。中央左のくぼみが道で、道形を確認できたときには一安心しました。ヘアピンは2つあり、計3段の九十九折(?)となっていました。
2段目と一番下の段はこのような角度で接続しています。。ここは荷馬車や牛車でも切り返すのはきついと思います。ましてオート三輪?? 昔の車は丈夫だったんですね。
そして道は幅2mほどの谷にぶつかります。橋があったようですがすでに落ちています。少し上で川に下りたような踏み跡があり、それを使って川を渡りました。
渡った所は沢のどん詰まりのようなところですが、下流方向に平場があり、一部砂利をひいたような跡がありました。まだまだ道ははっきりせず沢の一部のような感じで、いきなりマムシ草のつぼみがあったりして驚きます。
下っていくと徐々に道の形を取り戻し、また沢とも徐々に高度差が出てきます。だんだん反対側から人が入ってきている感じが強くなってきます。
徐々に廃道から林道に戻ってきます。対岸には現在の県道のガードレールが確認でき、行きかう車も見えます。谷からは結構な高さがあります。さらに古い時代の歩くだけの道がどのようについていたかはわかりません。
川の向かい側(現在の県道側)に何か石垣で組んだような跡がありました。昔このあたりでは砥石が取れたとも聞きましたが関係があるのでしょうか。
道は町道水梨線にぶつかりました。入り口の案内には作業道段戸二号線と書いてあります。
水梨線は県道80号東栄稲武線から鴨山川沿いに津具の大桑につながっていますが、災害に弱く現状で道が通れるかどうかは判りません。熊も出るようです。鴨山川は水梨線沿いのほうが本流で、確かに地理がわからなければ迷ったかもしれません。琵琶渕は大桑地区に近い方にあるようで、琵琶神様はそこまで川を遡ったことになります。
水梨からの道と出会ってすぐに「だんどばし」を渡ると、
東栄町との境のここへ出ます。
現在の県道が整備された際や、林道や作業道が作られた際に道の位置も変わったと思いますが、昔の地図を見てもこのあたりで鴨山川左岸に渡っていたようです。
琵琶神様から津具のほうに進むとこのような感じです。片方しか坂道がない片峠で、登りつめて広がる平地をみて旅の人も一安心されたと思います。
津具川の向こうには白鳥山が見ています。
昔の街道ですので、道幅もしっかりあり、現在の県道よりも距離も短い印象をうけました。本当にオート三輪で登ったのか・・・というのが気になるところです(あの切り替えしをどう通ったのか想像がつきません)。多くの人が通った昔の道ですが、今は歩く人もなく静かに自然のものに還りつつあります。
※繰り返しになりますが、普通に歩けるのは馬頭観音までで、そこから先は廃道です。歩かれる方は十分な装備をお願いします。またくれぐれも自己責任でお願いいたします。