連休中に三河湾の佐久島へ潮干狩りに行ってきました。
この佐久島は医師になって2年間の初期研修を終えてそのまま赴任となった場所で、
私にとっては地域医療の原点といえる場所です。
新しくなった渡船場から、写真右がさちかぜ、左がはまかぜ。
島に住んでいた期間中にはまかぜが就航しました。
そういえば佐久島のある一色町も西尾市になりましたね。
合併した自治体が現場をよくみて地域とともにいい形で進むことを心から願います。
これが潮干狩りでの収穫。大きいでしょ。
潮干狩りは大人子供ごと取れる量が決まっています。でも十分な量です。
名古屋での研修を終えて島に来たとき、いろいろ驚くことがありました。
観光客向けの潮干狩りと違って、島の人が産業としてとるアサリ漁(アサリかきという)は、
お年寄りたちにとっても収穫がそのまま自分の収益になるためみな必死で磯に出ていました。
普段腰が痛い膝が痛いと言っていた方も、真剣でアサリをかいていましたし、
喘息発作が起きているのに家で寝ていると置いていかれるからといって、
ずっと漁場に向かう船で雨の中待っていた方もいました。
もちろん病気はないほうがいいのですが、
診察室や病室でみる患者の姿と、地域生活やそれまでの人生を踏まえた人間としての姿に、
病を考えるうえで診察室で得る情報がいかにに乏しいものか、実感しました。
その3年間の経験は今でも医療の原点として心の中に残っています。
この風景の中に3年暮らした家があります。
ちょうどその時期は島が地域おこしに試行錯誤を重ねていた時期でした。
地域づくりの島民の会に入れてもらっていろいろ教えて頂きました。
医療も地域を支える一つの仕事であり、それは一つの地域づくりであり、
今後も地域のための仕事をしていきたいと感じました。
その島は、いまでは名探偵コナンと怪盗キッドが舞い降りた島になりました。
島の人たちの努力が全国に伝わる一つの形として評価されたと思います。
対岸にコナンとキッドが話をした「おひるねハウス」があります。
手持ちのデジカメではこれ以上拡大できないのでこれが限界ですが、
島に行かれる際にはぜひ行ってみてゆっくりした時を過ごしてみてください。
船の時間には気をつけて、できればゆっくり一泊すると、
観光化された地域と違う純朴な地域を味わくことができると思います。
いろいろ仕掛けもある島です。のんびり歩いてみてください。
作業性抜群のシルバーカーです。島の工務店の方が改造しています。
本当に島の人たちは良く働かれます。根が素直というか、きれいというか。
某曲の歌詞のように、病気はあっても心はずっと健康なのだと思います。
いつまでもこの島もことは忘れられません。
どの地域でもこの島に恥じることがないよう、やっていきたいと思います。
貴重な経験をいつも思い出させてくれてありがとう。