第2回健康・医療に関する活動発表会

新城市で開催された、東三河北部医療圏主催の「第2回健康・医療に関する活動発表会」に参加してきました。今回は演題数を6題(新城地区より3題、設楽・東栄・豊根から各1題)に減らし、代わりに一つあたりの発表・質疑に時間をかけることになり、じっくりそれぞれの活動について話を聴くことができました。昨年は当診療所も発表したのですが、今年は津具地区からはロコモ体操教室が発表することになり、私はスライド係です。

第2回健康・医療に関する活動発表会

新城市健康課からは糖尿病対策研究会の取り組みが報告されました。メタボ解消や健康生活について参加者を募り、約3ヶ月間の取り組みを支援した報告が行われました。若い男性の参加もあり、データや理論が男性をさらに前向きに支えるにはよいとか。最後のスライドにあった、改善のポイントは「仲間」(家族・友人・近所・職場・行政・医療機関などによる地域で個人の健康を支えるシステム作り)という言葉が、津具でも実感する地域の中での横のつながりの大切さと通じると思いました。

第2回健康・医療に関する活動発表会

新城・北設地域で活動する「子育て情報誌さくら」さんはお母さんや女性の視点から地域に何ができるのかの問題提起がなされました。市民病院の小児科の先生に監修をお願いし作り上げた子供の病気に対するマニュアルなどは、他の地域に出しても全然恥ずかしくないものだと思います。診療所がこの活動を応援する一つの形として、診察室でもこのような地域の方がつくったものを使わせていただいていこうかと思います。
新城市と奥三河の子供の数の違いや周囲を取り巻く環境の違いは大きなものです。どちらが幸せかというのは別として、10年後20年後のこの地域がどうなるかを考えると空恐ろしいものもあります。遅かれ早かれやってくる話、もっとみんなに真剣に考えてもらいたい…、でも今日こうしてこの場に来てくださった方には伝わるものがあったと思います。

第2回健康・医療に関する活動発表会

東三河北部地域医療を考える会 くまのおいしゃさん の皆さんは、昨年の会で報告のあった紙芝居による取り組みをさらに発展させ、医療側からの視点ではなく住民側からの視点でつづった紙芝居をもとに活動をされているという話をされました。コンビニ受診の抑制という視点からの医療を支える活動ですが、当地域ではまだ医療がなくなるという危機的な状況というのはあまり実感がないのではないかと思います。でも結局は人と人とのやり取り、支えて支えられて共に生きる関係です。医療というものを自分達で支えるという思いに感謝すると共に、医療側としてもう一度どう受け止めるか考えさせられる発表になりました。

第2回健康・医療に関する活動発表会

東栄町福祉課の方からは、東栄町が全国に先駆けて行った運動器健診についての取り組みを話されました。津具のロコモと比べると健診というきっちりと測定されたデータにもとづいてどうして行くか考えていかれるようでした。東栄町は認知症に関する包括支援センターの取り組みが秀逸ですが、さらに運動器障害についてもデータを元に考えられています。町の将来像をしっかり見据えて医療と行政と福祉と共に歩めるというのは、正直うらやましく思います。ぜひ中山間地域でどこでも活かせる元となるデータを、また発表していただけたら(お願いで申し訳ありませんが)と思います。

第2回健康・医療に関する活動発表会

豊根村の方は介護予防事業としての地域に出て行う取り組みを話されました。一つ一つの取り組みは題目からは普通ではあっても、それらがみんな手作りで、また小さな地域の小回りを生かした顔と顔を見合わせながらの取り組みで、津具のロコモに通じる温かさを感じます。発表されたケアマネさんも、各集落での取り組みでの体操や音楽療法の実演をしていただいた「ミュージックケアリーダー」の方もとてもパワフルで、まだまだ奥三河にもすごい人材がいるものだと感心しました。

津具のロコモの発表は…自分自身がスライド係だったので写真は撮っていません。
体操の実演を交えた、ユーモアあふれる発表に会場の笑いが絶えませんでした。発表後の「楽しすぎて質問がありません」という会場の反応がすべてだったと思います。
私自身は以前も書きましたが、患者さんや地域に対する申し訳なさはありますが、5年間やったことに悔いはない、そう感じさせていただくのに十分すぎる発表でした。
一度津具に足を運んでいただいてみていただくのが一番いいと思います。いい地域の方たちと一緒に取り組めたことを心から感謝しています。

まだまだこの地域にはがんばっている人がたくさんいます! 地域を支える横のつながりを感じた、そんな印象があります。
多くの人に知ってもらい、その先にこれからの少子高齢化過疎化の進む地域について一緒に手を動かし考えていってもらえる方を一人でも増やしていきたいです。インターネットでつながりが持てる世の中、自分自身がここを離れても志をもとに共に生かせるものは多々あるはずです。
いい話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。


同じカテゴリー(医療)の記事
症例検討会発表
症例検討会発表(2013-02-15 08:14)

感謝
感謝(2013-02-03 09:20)

指導医講習会
指導医講習会(2013-01-20 22:17)

仕事始めに寄せて
仕事始めに寄せて(2013-01-04 17:56)

『ドロクター』
『ドロクター』(2013-01-03 21:00)

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

写真一覧をみる

削除
第2回健康・医療に関する活動発表会
    コメント(0)