何度も同じことを書いてくどくなってしまうけれど、この地域と関わり6年がたちました。
子供たちの背が伸び声も変わり、時間が経過したことを感じます。
しかし子供だけでなくお年寄りにも時間は同じように経過していきます。
75歳だった人は80を超え、85だった人は90を過ぎました。
世の中では75歳以上を後期高齢者といいますが、この地域では85歳でもまだまだ支える側だと思います。
今までの自治医大卒業後の『赴任』は2~3年ごとに勤務地が変わりました。
どの赴任先でもいろいろな人がいて、中には苦い思い出もありましたが、でもよかったと思うことのほうが多くあります。
人の最期にも何回も関わるなかで、地域で看取る喜びも難しさも感じました。
そしてこの仕事に関われることを幸せに思います。
しかし最近の看取りでは少し違う思いもあります。
6年前からのカルテを持つ人たちが今年は何人か旅立たれました。
歳を重ねていてもみんなどこか元気で、心はずっと篤いものを持っていました。
一人一人と付き合う時間が長くなった分、別れるのはやっぱ寂しいものがあります。
自分も同じ時間の流れの中で生きています。6年どうこう言っても自然の流れから言えば一瞬。
看取った人たちも自分より少し先にこの世界に来て少し先に旅立っただけ、いずれまた会えるのかもしれません。
でも、やはりどこか寂しい気持ちを、このごろ感じるのです。