転換点

今週はいろいろなことがありました。
3.11の日に見た映画から始まり、ロコモ教室、研修医受け入れ、足助病院での勉強会、また自分に自信をつけたく再び歩き始めたりして、中身の濃い毎日が続きました。
火曜日に来た研修医が帰り際に質問をしていきました。「へき地医療のモチベーションは何ですか?」と。恥ずかしながらうまく答えることができませんでした。2年程前ならもっと自信もあって素直に話せたかもしれません。自分の知識技術不足を感じることが多くなり、また何のためにこの地域で働いているのか考えることが続いています。
ロコモ教室や地域での看取り・今までの発表など、ここで暮らすことを支えることで地域が元気になればいいというのがモチベーションなのでしょう。一方で地域の将来についてここに住む人たちの考えはなかなか見えません。行政は言わずもがな、せめてここで生活している人の気持ちを知りたいと思います。元気のない地域に医療が存続していく必要はありません。しかし過疎化や高齢化により長い目で衰退していくのであっても地域に元気があれば楽しく老いていけでしょうし、そのような地域にこそ医療だけでなくいろいろな取り組みを残す事が出来るでしょう。
一人一人の患者さんとの会話や地域付き合いはとても楽しく、いろいろ教えていただくことが多くあります。地域の行事に参加して地域を知ることも楽しい事です。その一方でそろそろ視野に入ってきた明るさの感じられない将来への地域の考えや行動が、外から来て地域のため現場で働く側になかなか見えてこないのです。言葉を選ばないと不平不満と思われてしまう所がまた悩ましいところで、自分で選んだ道といえばそれまでですがモチュベーションの維持という意味では難しくなってきているのだと思います。

この日曜日に地域の老人クラブでの話を依頼されました。ロコモ教室に来られている方とはまた集団構成が異なりますので、素直に自分の気持ちや迷いを伝えてみようと思います。今85歳過ぎならば今の社会資源でも支えていけるでしょうが、今の70歳台を地域が支えられるかはかなり難しいのではないでしょうか。地域に住む人が将来について何を考えそのためにどう行動しているのか聴いてみたいし、医療のモチベーションの維持には地域での共有できる思いが必要であることなど正直に話してみようと思っています。主義主張を述べる医師は嫌われるかもしれませんが、今後も地域に医療を残すためには(それは地域を墜落させずに維持していくことになると思う)、必要なのだと思います。ちょっとした地域への挑戦、どうなるかはまたブログ等で報告しますね。


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